AI作品は誰のもの?著作権について考える

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はじめに

これまで紹介したCanvaやSeaArtAIなどのAIが生成した画像は非常に高品質ですが、その画像を利用する上で、その著作権はどうなっているのでしょうか?
自分が出力したのだから自分のもの?
それとも、AIが出力したのだからAIのもの?

今回は、今後どんどん最新のものが登場するAI画像生成において、その著作権について考えてみたいと思います。

幻の優勝作品

皆さんは、こちらの絵をご存知ですか?

アメリカのゲームデザイナーJason Allenが作ったAI作品「Theatre D’opera Spatial」は、米国コロラド州の展覧会の美術コンテストで、デジタル加工写真部門の1位に選ばれました。非常に幻想的で広がりを持ったこの絵なら優勝するのも納得ですね。

ですが、実はこの作品は画像生成AI Midjourneyを使って制作されたものだったんです。この作品は、AIのインチキではないか!?他の芸術家の作品を模倣しているのではないか!?という批判、AIが芸術の意味や価値を損なうのではないか!?という懸念を巻き起こしました。

AIアートの著作権は?

話を戻します。

AIが生成した作品の著作権は誰のものでしょうか?
AIが人間の創造性に匹敵するレベルになってきた今、非常に重要な問題です。現在の日本の著作権法では、AIが生成した作品についての明確な規定がありません。

何より、AIが生成した文章や画像は、人間が作った作品をAIに大量に学習させ、それらを元に生み出されています。だとすると、それらはAIが生成した作品と言えるのでしょうか?
AIアートの権利問題は、非常に曖昧で難しい問題なんです。

「AIの創造性」は「AIの意志」か?

現在の日本の著作権法では、著作物とは「人間の創造的な表現活動によって創られたもの」であり、「個性を有するもの」であると定義されています。つまり、著作物には人間の創造性と個性が必要であるとされています。
であれば、AIが生成した作品には人間の創造性と個性があると見なせるでしょうか?
YES or NO で考えてみましょう。

AI画像には、人間の創造性と個性がある

これは、AIはあくまで人間から与えられたプログラムやデータを超えて、自律的に学習や進化を行い、新たな知識や技術を獲得して作品を生成しているという主張です。
また、AI作品には人間から影響を受けた感情や思想や意図などが反映されており、その結果として個性も有していると主張します。

AI画像には、人間の創造性と個性がない

こちらは、AIの画像はは人間が開発したプログラムやデータに従って統計的にフィードバックを出力しているだけで、そこに人間で言う感情や思想や意志などは無く、それゆえ個性も存在しないと結論づけます。

AIツールとは何なのか?

結局、AIツールは著作権を有する何らかの”存在”であるかどうかという議論がポイントです。

AIそのものを、人間と同様に知的な存在であり、自己意識や自由意志を有していると考えるのであれば、それはAIは自らの創造的な表現活動によって作品を生成しているということになります。そして、その作品に対して責任や権利を有していると考えることができます。

そうではなく、AIを人間が開発した道具や装置であると考えれば、AI自身は、AI作品に対して責任や権利を有していないとなります。

AI作品は公共の財産!?

また別の考えもあります。
AIは人間と異なる種類の知的な存在であり、意志を持っているかどうかは不明という考えです。そのため、その作品に対して責任や権利を有する主体が明確ではないので、であれば個人に属さない公共財として扱われるべきだということです。

まとめ

いかがだったのでしょうか?
AIが生成した作品の著作権に関する問題は、まだ決着がついていない複雑で難しい問題です。

海外では、アメリカなどではAIの画像については著作権が発生しないという判決が出されました(控訴中)。オーストラリアであれば、AIを発明者として認めるという判決が出ています。

今後、この問題についても新たな法律や規制が制定されていくでしょう。
しかし、私たちが考えなければならないのは、AIは是か非かという議論に捉われるのではなく、今ある技術をより引き上げてくれるためのツールとして使いこなそうとする姿勢だと思います。

最後に、Jason Allenの言葉を引用して終わります。
「AIの進化は止まらないんだ。このままだと芸術は死んだ、勝負は決まった、AIの勝ち、人間は負けたってことになるんだぜ」

AIと共に未来を創る!

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